タイムドメインライトの不具合にお悩みではないでしょうか。
特にボリュームつまみの不調による音量問題は、多くのユーザーが直面する共通の課題です。
この記事では、タイムドメインライトに特化して、故障時の修理の流れから、根本的な解決策となる「アンプレス化」のメリット・デメリットまでを網羅的に解説します。
タイムドメインラボへの修理依頼方法や費用、注意点といった具体的な情報に加え、修理を繰り返さないための対策としてのアンプ交換(アンプレス化)についても詳しくご紹介します。
ご自身のオーディオ環境や好みに合わせて、最適な選択をするためのヒントが詰まっています。
この記事のポイント
- タイムドメインライトのボリューム不具合の原因と修理方法について
- メーカーへの具体的な修理依頼の流れと費用について
- 故障の再発を防ぐ「アンプレス化」という解決策について
- アンプレス化のメリットとデメリット、そして検討すべき点について
タイムドメインライトの故障と修理・アンプレス化の流れ
ボリュームつまみが原因の音量不具合
この症状は、ボリュームの接触不良が原因で起こることが多いようです。ボリューム部品内部の汚れや劣化により、電気信号がうまく流れず、音量が不安定になります。
特にタイムドメインライトは、多くのユーザーが遅かれ早かれこの症状を経験しており、中には不具合を機に手放してしまう人も少なくないようです。
私の場合は、以前も同様の症状で修理を依頼し、その際はボリュームの清掃と調整で改善しました。
しかし今回は症状が再発したため、メーカーに相談したところ、ボリューム交換での修理を提案してもらいました。
販売が終了した現在でもメーカーは修理を受け付けているようなので、同様の症状で困っている場合は、一度相談してみるのが良いでしょう。
タイムドメインラボ製品の修理依頼方法
タイムドメインラボ社は、自社製品の他、タイムドメイン社製品や一部のライセンス製品の修理も受け付けています。修理を依頼する際は、ウェブサイトの「修理のお申し込み」ページから必要事項を入力して送信します。
この手続きを行うと、修理手続きの詳細と受付番号が記載されたメールが届きます。製品を郵送する際には、この受付番号を送り状やメモに必ず記入し、同梱してください。
修理依頼から完了までのステップ
- 申し込み ウェブサイトの「修理のお申し込み」ページから必要事項を記入して送信します。
- 受付確認メールの受信 すぐに自動返信の受付確認メールが届きます。届かない場合は、迷惑メールフォルダを確認するか、直接cs@timedomain-lab.co.jp(不具合や修理に関するお問い合わせ専用)に連絡してください。
- 修理内容と概算費用の確認 通常1日以内(多くの場合、数時間以内)に、入力された情報に基づいて、考えられる故障内容、おおよその費用、送付先、受付番号などが記載されたメールが届きます。
- 製品の送付 受付番号が記載された依頼品を、宅配便や郵便でタイムドメインラボ社に送付します。この時点で修理の受付が完了します。 なお、ACアダプターやケーブルは原則不要です。スピーカーの振動板を保護するように丁寧に梱包しましょう。
- 修理の実施 メーカーに到着後、症状が確認され、修理が実施されます。見積もりが必要な場合(5,000円を超える場合)は、修理前に確認の連絡が入ります。
- 修理完了と返送 修理が完了すると、修理品が請求書とともに返送されます。
費用と支払いについて
修理費用は、モデルや修理内容によって異なります。
- 基本修理費用: タイムドメインラボ社やタイムドメイン社製品の場合、1カ所目の修理は3,600円(税抜)、2カ所目以降は1カ所ごとに1,800円(税抜)が加算されます。部品交換が必要な場合は、別途部品代がかかります。
- アンプの修理費用: 一部のアンプ(SQA-130、YA1、YA2など)やチューンアップ品の修理では、基本費用が5,500円(税抜)になる場合があります。
- 富士通製製品: 富士通製タイムドメインスピーカーの基本修理費用は5,500円(税抜)です。
- お見積もり: 5,000円(税抜)を超える場合に、お見積もりを希望するか選択できます。お見積もりは無料ですが、修理完了までに時間がかかります。破損を伴わない修理であれば、ほとんどの場合5,000円以内に収まります。
修理費用は、修理品到着後2週間以内に銀行振込で支払います。
修理に関するその他の注意事項
- お客様からメーカーへの送料は自己負担となりますが、メーカーからお客様への返送料はタイムドメインラボ社が負担してくれます。
- 保証期間内の修理は、保証書の規定に従って行われますので、製品に保証書を添えて送付してください。
- ウサギにかじられたケーブルなど、破損を伴う修理も可能です。
- お客様自身で塗装や刻印を施した場合、元の状態に戻せないことがあります。
- 他社製品(デンソーテン、富士通テン、ボザール、シャープ、サンヨーなど)は修理を受け付けていません。それぞれのメーカーに直接問い合わせる必要があります。
故障を繰り返さないための対策
ボリュームの接触不良は、経年劣化や使用環境によって避けられない場合があります。
もし同様の症状が頻繁に発生し、修理を繰り返すのであれば、内蔵アンプを切り離す「アンプレス化」を検討するのも一つの方法です。
アンプレス化すれば、ボリュームつまみを介さずに直接外部アンプに接続するため、ボリューム起因の不具合は根本的に解消されます。
ここのところ音楽を聴く時間は少なくなっていますがタイムドメインライトは20年以上使い続け、2度の修理を経験しています。
ボリューム周りのトラブルから完全に縁を切りたいと考えている方にとって、アンプレス化は最適な選択肢と言えるでしょう。
この改造によって、修理に費やす時間とコストを削減し、より快適なオーディオ環境を構築することが可能になります。
タイムドメインライトの「アンプレス化」のメリット・デメリット
TIMEDOMAIN miniアンプレス化
タイムドメインスピーカーを鳴らすためのアンプが単品で販売されるようになったことで、「TIMEDOMAIN mini」を外付けアンプで鳴らしてみたいという声が聞かれるようになりました。
TIMEDOMAIN miniのスピーカーユニットはもともと性能が高く、外部アンプで鳴らす価値は十分にあります。
メーカーの公式サイトではminiの情報のみが記載されていますが、メールでのやり取りによれば「TIMEDOMAIN light」でも同様にアンプレス化が可能とのことです。
もしminiやlightをお持ちで、ボリューム周りの不具合が頻繁に発生している場合は、アンプレス化も解決策の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。
「TIMEDOMAIN mini アンプレス化」は、お手持ちのタイムドメインミニを以下のように変更するサービスです。
- アンプ基板(右チャンネル=つまみがある方に内蔵)を取り外す。
- 入力ケーブルを左チャンネルと同じスピーカーケーブルに交換し、左右ともにアンプが入っていない仕様にする。
- 筐体(支柱の土台を覆うお椀状の部分)も左チャンネル用のものに交換し、見た目を左右で統一する。
これまでは店舗や事務所などの高い場所にTIMEDOMAIN miniを設置すると、電源のON/OFFやボリューム操作が不便なことがありました。しかし、外付けアンプを利用し、スピーカーケーブルを延長することで、再生機器も含めて手元で簡単に操作できるようになります。
アンプレス化で取り外したアンプ基板とACアダプタはそのまま返却されるため、将来的に元の仕様に戻すことも可能です(復元には修理扱いとなります)。
ケーブルの先端にはタイムドメインコンセプトのアンプに接続しやすいU端子付変換ケーブルが付属し、これを外すとピンプラグが現れ、シロクマ社製myPod8 TDD-1800にそのまま接続できます。
スピーカーのスペックは、インピーダンス4Ω、最大入力6Wです。アンプ基板などが不要な場合は、メーカーが引き取りも対応しています。なお、納期は預けてから1週間から10日程度です。

アンプレス化のメリット

アンプレス化の最大のメリットは、やはり音質のグレードアップにあります。
タイムドメインライトに内蔵されているアンプから、より質の高い外部アンプに接続することで、スピーカーが持つ本来のポテンシャルを最大限に引き出すことができます。
筆者の場合、手持ちの「ONKYO CR-D2(吉田苑チューンモデル)」への接続を検討しました。
タイムドメイン社が当時推奨していたiPod Classicをドックに載せて使う方法も試しましたが、デジタルアンプ搭載のCR-D2のイヤホンジャックに接続し、CDを再生した方がはるかに好みの音になったという経験がありました。
このことから、イヤホンジャックよりもさらに信号伝達が効率的なスピーカー出力端子に接続すれば、よりクリアで豊かな音質が期待できるのではないかと想像しました。
このように、外部アンプを使うことで、内蔵アンプでは得られない、一味違う音質を楽しむことができます。
ご自身の好みの音を追求できる点が、アンプレス化の大きな魅力と言えるでしょう。

アンプレス化のデメリットと注意点
一方で、アンプレス化にはいくつかのデメリットや注意点があります。
まず、CR-D2のスピーカー出力に接続することになるため、タイムドメインライトのスピーカーユニットの耐入力(3W程度)を考慮し、アンプのボリュームを上げすぎないよう注意が必要です。
また、内蔵アンプがなくなるため、外部アンプがないと音が出せなくなります。
特にタイムドメインライトは持ち運びできる手軽さが魅力でしたが、アンプレス化するとそのメリットは失われてしまいます。
ただし、アンプレス化で取り外したアンプ基板とACアダプタは返却されるため、将来的に元の仕様に戻すことは可能です(ただし、復元には修理扱いとなります)。
このため、元の音が恋しくなった場合でも、完全に諦める必要はありません。しかし、手間や費用がかかることも考慮し、アンプレス化に踏み切る前には慎重に検討することが大切です。
実際にアンプレス化すべきか?
2019年時点では故障したボリュームの修理を選択しましたが、アンプレス化という選択肢も真剣に検討しました。
というのも、以前所有していたイクリプスTD508ⅱは手放しDENON SC-F102SG(吉田苑hinaモデル)は好みの音質ではないもののまだ所有していたからです。
しかし現在はデノンのスピーカーも手放しており、CR-D2に接続できるスピーカーがない状態です。
もし再び同様の不具合に見舞われた際には、修理を繰り返すよりも、この機会にアンプレス化に踏み切ろうと考えています。
アンプレス化には、音質の向上という大きな魅力がある反面、内蔵アンプがなくなるため、外部アンプがなければ音が出せなくなるという利便性の問題が生じます。
以前デノンのスピーカーを所有していた際は、そのスピーカーを聴くこともできたので修理を選びましたが、次に同じ状況に陥った際は、手元にあるCR-D2をタイムドメインライトの外部アンプとして活用するという道が開けます。
また、タイムドメイン社の「原音忠実再生」という理念からは少し外れるかもしれませんが、筆者個人としては、CR-D2のS.BASS機能を使って低音を強調した方が好みだと感じています。
このように、外部アンプを導入することで、好みに合わせた音質調整が可能になるというメリットもあります。
結局のところ、アンプレス化は音質向上と引き換えに利便性を失うというトレードオフの関係にあります。
どちらの選択肢も一長一短ですので、ご自身のオーディオ環境や今後の使い方を考慮して決めることが大切です。
外部アンプの性能が優れていれば、音質の向上は期待できますが、最終的にはご自身の耳で判断するのが一番良いでしょう。
タイムドメインライトのアンプレス化:修理と音質向上の新たな選択肢
- タイムドメインライトは、ボリュームつまみの接触不良による音量不具合が多くのユーザーにみられる
- この症状は、ボリュームの清掃・調整で改善されることがあるが、再発する場合もある
- ボリューム交換による修理もメーカーで対応可能である
- メーカーの公式サイトにはminiの情報が記載されているが、lightでもアンプレス化は可能
- アンプレス化とは、内蔵アンプを取り外し、外部アンプに接続するサービスである
- これにより、ボリュームつまみ起因の不具合が根本的に解消される
- アンプレス化の最大のメリットは、外部アンプ使用による音質のグレードアップである
- スピーカーの本来のポテンシャルを最大限に引き出すことができる
- アンプを外すことで、再生機器も含めて手元で簡単に操作できるようになる
- アンプレス化には、外部アンプが必須となるデメリットがある
- タイムドメインライトの持ち運びできる手軽さは失われる
- アンプレス化で取り外されたアンプ基板とACアダプターは返却される
- 将来的に元の仕様に戻すことが可能である(ただし修理扱いとなる)
- 外部アンプの導入により、好みに合わせた音質調整が可能になる
- アンプレス化は、音質向上と利便性のトレードオフである
あわせて読みたい
>>タイム ドメイン スピーカー 評判と音質の真実を徹底解説