アルコールは四毒を超える毒か?ルイさんとよしりんの主張を徹底比較

アルコールは四毒を超える毒か

健康や美容に関心を持つ人々の間で、四毒(小麦・植物油・牛乳・砂糖)は日常の食生活に潜むリスクとして認識されつつあります。しかし、ここ数年で、もう一つの身近な嗜好品であるアルコールの危険性について、専門家による議論が活発化しています。
本記事では、このアルコールは四毒より危険か?という核心的な問いに対し、二つの異なる視点を持つ専門家の主張を徹底比較します。
一つは、自然療法大学ルイ氏が断言!アルコールは百害あって一利なしとし、アルコールが四毒を超える合法最強クラスの毒性物質である根拠を、分子レベルで徹底解説する立場です。ルイ氏は、摂取直後から始まる分子レベルの損傷:細胞死・DNA損傷や、ミトコンドリア機能低下と代謝破綻による体質変化、慢性炎症と酸化ストレスの増幅が全身の老化を加速し、脳神経・ホルモン系の制御破綻:判断力、睡眠、ストレス耐性への影響がいかに深刻かを科学的に解き明かします。
一方、医療現場の知見を持つ吉野敏明先生が語る「アルコールと四毒」の真実にも焦点を当てます。先生は、四毒(小麦・植物油・牛乳・砂糖)は酒・タバコより発がん性が強いとし、癌の原因ランキングで食品は1位、アルコールは下から数えて6番目というデータを示します。
また、小麦のグルテンとアルコールによる腸粘膜破壊のメカニズム比較や、四毒の中でも危険度が高い植物性油が引き起こす肺腺癌リスク、そしてアルコールと癌の正しい関係:肝臓癌や喉の癌の発症メカニズムを具体的に解説します。
最終的には、両者の主張を理解した上で、正しい選択をするためにアルコールと四毒の危険度を理解するという視点に立ち、あなたの健康的な選択をサポートします。

この記事のポイント

  • アルコールの分子レベルの毒性:摂取直後から細胞死、DNA損傷、ミトコンドリア機能低下、慢性炎症が起こるメカニズム
  • 専門家による危険度評価の違い:ルイ氏が「百害あって一利なし」と断言するのに対し、吉野先生は四毒(食品)の発がん性リスクをより重く見ている点
  • 腸粘膜破壊のメカニズム比較:グルテンによる「機能的な緩み」と、アルコール代謝物による「構造的な破壊」の違い
  • 癌リスクの真の優先順位:日常的な四毒(特に植物油)が招く肺腺癌などの累積的なリスクと、アルコールが招く肝臓癌などのリスクの関係
目次

アルコールは四毒より危険か?専門家2名の主張を徹底比較

忘年会でビールを飲むサラリーマン

自然療法大学ルイ氏が断言!アルコールは百害あって一利なし

多くの人が「適量であれば体に良い」と信じてきたアルコールですが、自然療法大学のルイ氏は、アルコールの摂取には百害あって一利なしと断言しています。ここで、ルイ氏について初めて知る読者の方へ簡単に紹介させていただきます。自然療法大学ルイ氏は、予防医学や代替医療に関する情報発信を行う専門家です。特に、歯科医師の吉野敏明先生といった著名な医師たちの理論(四毒など)を深く学び、その知識を独自の視点で統合・検証しています。細胞の分子レベルでの毒性や代謝メカニズムに関する解説に定評があり、エビデンスに基づいた実践的な健康情報を提供している人物です。チャンネル登録者数 12.8万人のYouTube番組を持つ自然療法大学のルイ氏によるこの見解は、近年の大規模な研究や、細胞レベルでの毒性データが蓄積された結果、従来の常識が大きく更新されたことによるものです。古くから赤ワインに含まれるポリフェノールやビールに含まれるビタミンBなど、一部の成分が健康に良いとされる主張がありました。しかし、これらのメリットは、アルコールという化学物質が体内で代謝される際に発生させる深刻な負担や毒性を切り離して語られたものに過ぎません。ルイ氏は、一時的に気分が軽くなったり、リラックスしたりする主観的な変化は認めつつも、体のレベルで見ると、代謝、炎症、神経機能、ホルモン調整、腸内環境のすべてに負担が積み上がっていくと指摘しています。そのため、飲酒量が多いか少ないかに関わらず、アルコール摂取がリスクを上回る健康上のメリットをもたらす領域は存在しないという結論に至っています。これは、いくら「少しだけなら大丈夫」と自分に言い聞かせても、生物学的な毒性作用は避けられないという、厳しい現実を突きつけていると言えるでしょう。ルイ氏のスタンスは、アルコールの分解能力があるから安全とする従来の認識に対し、むしろ分解される過程で毒性物質が生成されることに焦点を当てたものです。

Youtube 自然療法大学
【5毒:百害あって一利なし】第1位 前編❗️ 細胞死・DNA損傷・炎症❗️ 合法最強クラスの毒性物質 前編後編

アルコールが四毒を超える「合法最強クラスの毒性物質」である根拠

ルイ氏は、吉野先生が提唱する四毒の存在を熟知した上で、アルコールの危険性を強調しています。「だからこそ四毒を語るなら本来は小麦以上にアルコールを真っ先に外す必要があると個人的に強く感じています」という発言は、四毒の影響力を認めつつも、アルコールが持つ毒性の深刻さを対比させています。この結論に至る根拠は、「ここで吉野の先生が提唱されている四毒の1つとして指摘されている小麦のグルテンとの比較を整理しておきます」という言葉通り、分子レベルの毒性の比較にあります。

アルコールが小麦、植物油、牛乳、砂糖といった四毒を凌ぐ「合法最強クラスの毒性物質」と見なされるのは、その作用が単なる栄養素の過剰摂取やアレルギー反応の誘発に留まらないからです。四毒とされる物質も体に負荷をかけますが、アルコールは摂取した瞬間から、全身の細胞に対して回避不可能な分子レベルの損傷を引き起こします。その最大の根拠は、アルコールが体内で分解される過程でアセトアルデヒドという強力な発がん性物質を生み出す点にあります。このアセトアルデヒドは、国際がん研究機関によって人に対する発がん性が認められている物質です。他の例であれば、小麦に含まれるグルテンは、タイトジャンクションを一時的に開かせることで腸のバリアを緩めますが、これは主に「機能的な緩み」で終わります。しかし、アルコール代謝物であるアセトアルデヒドは、細胞膜の脂質やタンパク質に直接結合し、細胞を殺傷し、タイトジャンクションを化学的に破壊するといった構造レベルのダメージを与えます。この構造破壊に加えて、アルコールは、後述するミトコンドリア機能の低下やNAD+の大量消耗を引き起こし、全身のシステムを根本から崩壊させます。このように、単なる毒性だけでなく、分解の過程でより強い毒を生み出すという特徴や、全身のシステムを巻き込む複合的な作用が、アルコールが四毒を超える危険性を持つと評価される根拠となるのです。

摂取直後から始まる分子レベルの損傷:細胞死・DNA損傷

アルコールを摂取した瞬間から、体内では複数の分子レベルでの損傷が始まります。その中心となるのが、細胞死とDNA損傷です。まず、摂取されたアルコールは肝臓でアルコール脱水素酵素(ADH)によって分解され、アセトアルデヒドが生成されます。 これを、体は毒物と判断し、次にアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によってさらに毒性の低い酢酸へと分解しようとします。しかし、このアセトアルデヒドは、非常に毒性が強く、神経細胞や全身の細胞膜に含まれる脂質と反応して異常なタンパク質を形成します。他にも、DNAの二重らせん構造を直接傷つけ、突然変異や細胞の老化の原因となります。なぜならば、体は損傷したDNAを修復しようとしますが、飲酒によって損傷と修復が何度も繰り返されると、修復の精度が低下してしまうからです。これは、繰り返しますが、針金を曲げては戻す作業を何度も繰り返すと、金属疲労でやがて折れてしまうのと同じ現象です。さらに、この解毒作業には、細胞のエネルギー生産やDNA修復に不可欠な補酵素であるNAD+が大量に消費されます。NAD+がアルコール解毒に優先的に使われる結果、本来の役割である脂肪の代謝や血糖調整、細胞の修復効率が低下し、全身の機能に悪影響が及んでしまうのです。特に、日本人の約半数はALDHの活性が弱い体質であるため、アセトアルデヒドが長く体内に残留し、発がんリスクがさらに高まるという注意点があります。

ミトコンドリア機能低下と代謝破綻による体質変化

アルコール摂取による最も深刻な影響の一つが、細胞のエネルギー源であるミトコンドリア機能の低下と、それに続く代謝破綻です。ミトコンドリアは、食事から得た栄養をエネルギー(ATP)に変換する発電所の役割を担っています。しかし、アルコールの代謝過程でNAD+が大量に奪われると、ミトコンドリアは燃料(糖や脂肪)を持っていても、それを燃焼するための電子の運び手が不足し、エネルギー生産をスムーズに行えなくなります。その結果、糖はエネルギーとして使われる代わりに脂肪に変換され、肝臓や内臓の周囲に蓄積されていきます。これが、単なるカロリーオーバーではなく、ミトコンドリアの燃焼機構が停止した結果として起こる脂肪肝という代謝障害の本質であります。また、アルコール代謝で生じるアセトアルデヒドや活性酸素は、ミトコンドリアのDNAや内膜を直接攻撃し、修復能力を低下させます。そして、このミトコンドリア機能の低下は、エネルギー不足による慢性的な疲労感、脳でのATP不足による集中力や思考力の低下を引き起こします。加えて、糖をエネルギーに変える回路が滞ることで血糖が上がりやすくなり、インスリン抵抗性も進行します。これらの理由から、アルコールは単に太る原因となるだけでなく、脂肪が燃焼しにくい体質、疲れが抜けにくい体質へと、体の根本的なシステムを変えてしまうというデメリットがあるのです。

慢性炎症と酸化ストレスの増幅が全身の老化を加速

アルコールの作用は、体内で慢性炎症と酸化ストレスという二つの負荷を同時に高め、これが全身の老化を加速させる要因となります。炎症には、怪我や感染時の正常な防御反応である急性炎症と、体内でじわじわと燃え続ける小さな火事のような慢性炎症がありますが、問題となるのは後者です。主に、アルコールの代謝過程で生じるアセトアルデヒドが、免疫細胞や肝細胞に対して炎症性サイトカインを放出するように指令を出します。これにより、体はダメージを受けたと勘違いし、常に「火災報知機が鳴り続けている」ような状態になってしまいます。さらに、ミトコンドリア機能が低下すると、電子伝達系が乱れ、大量の活性酸素が発生します。 この活性酸素が細胞やDNAを攻撃し、炎症をさらに悪化させる負の連鎖が起こるのです。ここで強調したいのは、アルコールが炎症のスイッチであるNF-κB(エヌエフカッパビー)経路を持続的にオンにしてしまうという点です。本来は、この炎症スイッチは一定時間でオフに戻りますが、アルコール代謝物の解毒や損傷の修復には24時間から72時間が必要であり、飲酒が週に2回以上ある方は、回復が追いつかないまま次の負荷が加わり、慢性的な炎症が続く体質になってしまいます。このような状態は、血管、肝臓、脳、皮膚といったほぼ全ての組織、臓器の老化と不調の土台となります。単純に「疲れが取れない」「肌荒れが長引く」といった一見些細な不調も、この炎症と酸化ストレスの連鎖によって生まれている可能性が高いのです。

脳神経・ホルモン系の制御破綻:判断力、睡眠、ストレス耐性への影響

アルコールの毒性は、体の司令塔である脳と神経系を深刻なレベルで破綻させ、判断力、睡眠、ストレス耐性といった日常のコンディションを揺るがします。その中で最も重要なのは、アセトアルデヒドが神経細胞の細胞膜を酸化させ、電気信号の精度や安定性を低下させることです。これを繰り返すことで、脳が情報を処理する速度や、判断の鋭さ、集中力などがゆっくりと低下してしまいます。また、アルコールは脳内のドーパミン、セロトニン、ギャバといった神経伝達物質の放出量や感受性、分解速度の全てを乱します。飲むと気分が良くなるのはドーパミンなどが急激に変動する短時間の興奮反応ですが、その後には必ず反動の低下が起こります。そのことによって、集中力の低下、不安感の増大、意欲の低下といった目に見える実害となって現れます。さらに、脳の司令塔である視床下部の機能が揺らぐと、自律神経やホルモンバランスが一気に崩れます。例えば、飲酒後の眠気は脳のブレーキが強く働くことによる鎮静作用であり、深い睡眠を作る本来のメカニズムとは異なります。しかし、アルコールの代謝そのものは体にとってストレスであるため、ストレスホルモンであるコルチゾールが上昇し、体は覚醒方向へ傾きます。その結果、寝付きはよくても睡眠が浅くなり、夜間の中途覚醒が増えてしまうというデメリットがあります。加えて、アルコールは自然界の快楽刺激よりも強くドーパミンを放出させるため、脳がアルコールを報酬として学習し、依存行動を優先するように神経回路が組み換えられていくという、制御不能な状態に陥りやすいのです。

吉野敏明先生が語る「アルコールと四毒」の真実

赤ワインを飲みながらケーキを食べる女性

ルイ氏が尊敬する吉野先生の理論とアルコールへの視点

まず、ルイ氏が吉野敏明先生を深く尊敬している点から話を始めます。ルイ氏自身、「四毒を提唱されている吉野先生は僕も昔から好きで講演会にも行ったことがあるし Facebookでも繋がっているほど 尊敬している先生です」と語っています。これは、単なる議論の対立ではなく、お互いの知見を認め合った上での、より良い健康法を探るための専門家同士の意見交換であることを示しています。

しかし、両者の間で唯一、ルイ氏が強く言及を避けているテーマがありました。それは、「今回の第1位の飲食物についてだけは先生ご本人もよく摂取している様子を投稿されているので 強く言いづらい部分なのかもしれません」とルイ氏が述べている部分です。これは、吉野先生が主張する「四毒・五悪」以外の物質、すなわちルイ氏が「合法最強の毒」と位置づけるアルコールに対する評価の違いを指しています。

吉野先生のFacebookの投稿では 人間はこの第1位の物質を分解できる。しかし、石油由来の食品添加物は分解できないから危険という趣旨が書かれていましたと書かれているように、吉野先生は毒物を「分解できるか否か」を一つの判断基準とされています。この視点の違いこそが、アルコールと四毒のどちらをより危険と捉えるかという結論の差につながっているのです。

四毒(小麦・植物油・牛乳・砂糖)は酒・タバコより発がん性が強い

吉野敏明先生の主張は、世間一般の認識とは異なり、四毒とされる小麦、植物性の油、牛乳、砂糖が、酒やタバコよりも発がん性が強いという点にあります。この考えは、癌の発症プロセスには約15年という長い潜伏期間があり、その間に何を食べていたか、つまり日常的な食事の影響が最も大きいという医学的見解に基づいています。例えば、熊谷真実さんのお母様のように酒やタバコをやっていなくても若くして癌になるケースは珍しくありません。このとき、もし56歳で癌になったのであれば、その15年前の30代の頃の食生活が原因となっている可能性が高いです。そのため、癌細胞が発見される大きさ(細胞1個が約75億倍に増殖した状態)になるまでの期間を考慮すると、一時的な嗜好品である酒やタバコよりも、毎日口にする主食や調理に使う油、甘い物のほうが、細胞へのダメージを蓄積させる影響力が大きいと言えます。特に、植物性の油(サラダ油など)や砂糖、小麦粉がすべて含まれるケーキやクッキーといった食品は、吉野先生の視点から見ると、酒やタバコよりもはるかに発がんリスクが高い「最強の毒物」として評価されています。このように、癌のリスクを評価する際には、毒性の強さだけでなく、摂取量摂取頻度、そして細胞へのダメージの蓄積期間を総合的に判断する必要があるのです。

癌の原因ランキングで食品は1位、アルコールは下から数えて6番目

多くの人が癌の原因としてタバコやアルコールを思い浮かべますが、実際にWHOなどが公表している癌の原因ランキングを見ると、食品(Diet)の関与が他の因子を大きく上回って第1位であることがわかります。この「食品」とは、単純に何を食べるかということだけでなく、食べ方、食品添加物、調理法など、食生活全般を指します。ここで注目すべきは、タバコが約3分の1から4分の1程度の関与があるとされる一方で、アルコールの関与は比較的低い位置にあり、吉野先生の表現では「下から数えて6番目」に位置づけられている点です。これを理解した上で考えると、癌予防の優先順位は、タバコを完全にやめることはもちろんですが、それ以上に日常の食生活、特に四毒とされる物質の排除が重要になってくることがわかります。ちなみに、多くの人が危険視する食品添加物は、このランキングでは関与度が最も低いビリに近い位置にあります。このため、添加物を避ける努力をするのであれば、むしろ小麦や植物性の油、牛乳、砂糖といった高頻度で摂取され、細胞代謝に直接影響を及ぼす物質を避ける方が、癌予防に対してはるかに効果的な選択と言えるでしょう。単純に「酒やタバコが悪い」という情報だけが強調される背景には、日本が過去に締結した不平等条約(MSAやPL480条など)により、国が小麦や植物性油などの消費を奨励しなければならないという政治的な事情も関係していると、吉野先生は指摘しています。

アルコールと癌

小麦のグルテンとアルコールによる腸粘膜破壊のメカニズム比較

腸は単なる消化器官ではなく、免疫細胞の約7割が集まる、全身の健康を支える重要な司令塔です。アルコールと四毒の比較において、腸粘膜への影響は特に重要です。その中で、小麦に含まれるグルテン(グリアジン)は、腸の細胞同士を密着させているタイトジャンクションを一時的に緩ませる作用があります。これは、腸のバリアが「機能的に緩む」状態と言えます。しかし、この作用は細胞膜を破壊したり、上皮細胞そのものを死滅させたりする構造破壊には至りません。一方、アルコール、特にその代謝物であるアセトアルデヒドは、腸粘膜に触れると細胞膜の脂質やタンパク質に直接結合し、タイトジャンクションを化学的に変性させ、物理的に破壊します。言ってしまえば、グルテンの影響が「開閉システムの誤差」であるのに対し、アルコールの影響は「構造破壊プラス細胞死」として蓄積してしまうのです。このアルコールによる構造破壊の結果、腸壁に本来あってはならない隙間が生じ、細菌由来のエンドトキシンなどの有害物質が血液中に漏れ出すリーキーガット状態を即座に引き起こします。これが、全身の慢性炎症や免疫機能の錯乱のスタート地点となります。このように、腸粘膜の破壊メカニズムを比較すると、アルコールの化学毒性によるダメージのほうが、はるかに強力で深刻であることがわかります。

四毒の中でも危険度が高い植物性油が引き起こす肺腺癌リスク

四毒の中でも植物性の油(サラダ油、キャノーラ油など)は、特に深刻な発がんリスクを伴うと吉野先生は指摘しています。戦後、日本の食卓に輸入された植物油の摂取量は激増しており、この変化が特定の癌の増加と密接に関連していると考えられています。その理由は、植物油を大量に摂取すると、体内で代謝された際にケトン体の一種であるアセトンが多量に生成されるからです。アセトンはマニキュアの除光液やマジックインキにも含まれる揮発性の高い化学物質であり、体にとって捨てるべき毒物です。そして、体はアセトンをおしっこや皮膚からではなく、主に肺から気体として排出しようとします。その結果、発がん性の強いアセトンが肺の細胞に直接触れ続けることになり、肺腺癌のリスクを高めることになるのです。このため、肺腺癌は喫煙歴のない女性や若年層にも多く見られる癌であり、タバコではなくポテトチップスアイスクリーム(植物油が多量に含まれる)などの四毒の過剰摂取との関連が指摘されています。本来は、肺がんと言えばタバコによる扁平上皮癌が多かったのですが、現代では植物油の影響が強い肺腺癌が増えているという事実が、四毒、特に植物性油の危険性の高さを裏付けています。

酒とケトン体

アルコールと癌の正しい関係:肝臓癌や喉の癌の発症メカニズム

アルコールが引き起こす癌は、無関係に全身の癌が増えるわけではなく、その摂取方法や代謝能力によって、特定の臓器に発症リスクが集中するという特徴があります。主に、アルコール単独で発症リスクが高まるのは肝臓癌です。これは、アルコールを過剰に飲み続けた場合、約20~30年かけて脂肪肝から肝硬変へと進行し、その最終段階として癌化するという、明確な段階を踏むからです。このプロセスは、アルコールの代謝によって肝臓に継続的な炎症と負担がかかり続けた結果です。一方で、タバコと酒を併用した場合、リスクは一気に跳ね上がります。なぜならば、タバコのタールやニコチンといった発がん性物質が、アルコールによって水にも油にも溶けやすくなり、口腔内や喉、食道などの粘膜に浸透しやすくなるからです。そのため、舌癌、咽頭癌、食堂癌といった喉や口周りの癌のリスクが激増します。特に、つまみなしでアルコールを飲みながらタバコを吸うような習慣は、これらの粘膜を直接攻撃する最悪の組み合わせと言えるでしょう。さらに、ウイスキーのような濃度の高いアルコールを生で飲む習慣も、食道や中咽頭の粘膜に大きな化学的刺激を与えます。このように、アルコール単体のリスクと、タバコや他の要因と複合したときのリスクを分けて理解することが、癌予防においては非常に重要なポイントとなります。

結論:正しい選択をするためにアルコールと四毒の危険度を理解する

これまでの議論から、アルコールと四毒(小麦、植物油、牛乳、砂糖)のそれぞれが、異なるメカニズムで人体に深刻なダメージを与えることが明らかになりました。アルコールは、体内でアセトアルデヒドという強力な毒性代謝物を生み出し、細胞、ミトコンドリア、腸粘膜といった体の根幹システムを構造的に破壊し、全身の機能不全を段階的に引き起こします。これに対して四毒は、癌の原因ランキングの1位を占める「食事」として、日常的な高頻度摂取を通じて代謝を乱し、特定の癌(肺腺癌など)のリスクを高めるという、累積的なリスクをもたらします。つまり、アルコールは「瞬間的かつ構造的な毒」四毒は「日常的かつ累積的な毒」という性質を持つと言えます。したがって、癌予防や健康維持のために、どちらか一方だけを避ければ良いという話ではありません。何はともあれ、日々の食生活において摂取量が圧倒的に多く、代謝に悪影響を及ぼす四毒の排除を最優先で考えること、そして、アルコールについては「少量なら安全」という神話を捨て、その摂取量と頻度を極力減らすことが、将来のリスクを確実に下げるための最も賢明な選択となります。ここで大切なのは、「努力をする前に正しい選択をする」という吉野先生の言葉です。あなたが健康のために避けるべきは、表面的な「悪者」ではなく、科学的に毒性やリスクが証明された「真の悪者」を理解し、その摂取をコントロールすることなのです。

YouTube 吉野敏明チャンネル
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アルコールと四毒の危険性を巡る専門家視点の総括

  • 自然療法大学ルイ氏はアルコールを「百害あって一利なし」の「合法最強クラスの毒性物質」と断言している
  • アルコール代謝過程で強力な発がん性物質であるアセトアルデヒドが生成される
  • アセトアルデヒドは細胞膜の脂質やタンパク質に直接結合し細胞を殺傷する
  • アルコールは腸粘膜のタイトジャンクションを化学的に破壊し構造レベルのダメージを与える
  • 小麦のグルテンは腸粘膜を「機能的に緩ませる」がアルコールは「構造破壊」を引き起こす
  • アルコール解毒のため、DNA修復や代謝に必要な補酵素NAD+が大量に消費される
  • NAD+の枯渇により、ミトコンドリア機能が低下し、エネルギー生産(ATP)が滞る
  • 代謝破綻の結果、糖が脂肪に変換され脂肪肝やインスリン抵抗性を進行させる
  • アルコールは炎症のスイッチであるNF-κB経路を持続的にオンにし慢性炎症を招く
  • 慢性炎症と酸化ストレスの増幅が血管、脳、皮膚といった全身の老化を加速させる
  • アセトアルデヒドは神経細胞膜を酸化させ、集中力や判断力、思考力を低下させる
  • 飲酒後の睡眠は浅く、ストレスホルモン(コルチゾール)の上昇により中途覚醒が増える
  • 吉野敏明先生は癌の原因ランキングで食品(四毒)が1位、アルコールは6番目と指摘する
  • 四毒のうち植物性油の過剰摂取は、代謝物アセトンにより肺腺癌のリスクを高める
  • アルコール単独の癌リスクは主に肝臓癌だが、タバコとの併用で舌癌や食堂癌のリスクが激増する

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