シグマ20-200 vs タムロン25-200 Eマウント用ズーム比較

タムロン&シグマフルサイズ用高倍率ズームレンズ

かつてフィルムカメラで鉄道写真を撮っていたり、スペックを眺めるのが好きだったり。そんな昔のカメラ熱が再燃して、最近デジタルカメラを始めたばかりの皆さん、レンズ選びで迷っていませんか?
私も昨年、ミノルタX500以来のカメラ趣味を再開した入門者の一人です。プロではないし、たくさん写真を撮るわけでもない、でもスペックは気になる…そんな気持ち、とてもよくわかります。

特にソニーEマウントのユーザーにとっては、新しく発表されたフルサイズ対応のシグマ20mm-200mmタムロン25mm-200mmという2つのレンズの登場は、まさに嬉しい悩みでしょう。
どちらも「これ一本で旅行もスナップもいけるんじゃないか?」と思わせる、高倍率ズームレンズの決定版です。
現在の私が使用しているFE 28-60mmは、軽量コンパクトで便利ですがもう少し広角が欲しいと感じることが多々あります。
今回の記事では、私のようなデジタルカメラ初心者や、昔の趣味を再開したばかりの方に向けて、この2つのレンズをじっくりと比較していきます。

シグマ20mm-200mmタムロン25mm-200mmの強みや魅力、それぞれの比較ポイントをわかりやすく解説するので、あなたの用途に合ったレンズを見つける参考にしてください。この記事を読み終える頃には、どちらのレンズにするか、きっと答えが見つかるはずです。

この記事のポイント

  • シグマとタムロンの新型高倍率ズームレンズの主な特徴
  • 広角側や明るさといったレンズごとの強みと違い
  • 現在のレンズ運用で抱えている悩みの解決策
  • 自身の撮影スタイルに合ったレンズを選ぶためのヒント
目次

新製品シグマとタムロンのズームレンズ(20mm-200mm)比較

悩ましいレンズ選び

最近のデジタル一眼カメラ市場は、ソニーEマウントを中心に非常に活況を呈しており、特にシグマとタムロンから魅力的なズームレンズが次々と発売されています。
シグマから発表された「20-200mm F3.5-6.3 DG Contemporary」とタムロンの「25-200mm F2.8-5.6 Di III VXD G2」は、どちらもこれ一本で幅広い撮影シーンをカバーできる、いわゆる「便利ズーム」の決定版と言えるでしょう。フルサイズ対応でありながら軽量コンパクト、そして広角から望遠までを一本でこなせる性能は、特に荷物を減らしたい旅行やスナップ撮影を主とするユーザーにとって非常に魅力的です。
どちらも発売が間近に迫り、価格も気になるところですが、多くのカメラ愛好家が「どちらを選ぶべきか」という嬉しい悲鳴を上げています。単に焦点距離の広さだけでなく、開放F値やAF性能、ハーフマクロ機能など、細部にわたるスペックの違いが、それぞれのレンズの個性を際立たせています。
特に、これまで手軽な標準ズームレンズを使ってきたユーザーにとっては、これらの高倍率ズームレンズへの買い替えは大きなステップアップとなるため、じっくりと検討する価値があります。

現在の運用 28mm-60mmの悩み

現在使用しているFE 28-60mm F4-5.6は、重量わずか167gという驚異的な軽さが魅力のレンズです。
購入当初は、その携帯性の良さから非常に満足していましたが、実際に使っていくうちにいくつかの課題が見えてきました。
最も大きな悩みは、やはり広角側の物足りなさです。28mmという焦点距離は、日常のスナップやポートレートには適していますが、雄大な風景や狭い室内、建物の全体像をダイナミックに写し取るには、もう少し広角側が欲しいと感じることが多々あります。特に、観光地や街中で「あと一歩下がれたら…」と思う場面に遭遇すると、広角レンズの必要性を痛感します。
また、望遠側も60mmまでしかないため、遠くの被写体を引き寄せたり、背景を大きくぼかしたポートレートを撮るには不十分です。
このレンズはあくまで入門用や携帯性重視の選択肢であり、さまざまなシーンに対応しようとすると、どうしても交換レンズを持ち歩く必要が出てきます。
せっかくの軽量システムが活かせなくなるのは本末転倒であり、より幅広い撮影を一本で済ませたいというニーズが次第に強くなっていきました。

SONY α7ⅱと28-60mm
マップカメラ楽天市場店
¥47,955 (2025/09/16 12:47時点 | 楽天市場調べ)

比較ポイントの整理

シグマの「20-200mm F3.5-6.3 DG Contemporary」とタムロンの「25-200mm F2.8-5.6 Di III VXD G2」を比較する上で、注目すべきポイントはいくつかあります。
まず最も重要なのは、広角側の焦点距離です。シグマは超広角域の20mmから始まり、タムロンは25mmからスタートします。この5mmの差は、写真の印象を大きく変えます。風景や建築物をダイナミックに捉えたいなら、シグマの20mmスタートは非常に魅力的です。
一方、タムロンは広角端でF2.8という明るさを実現しており、暗い室内や夜景撮影において有利です。
また、AF性能も重要な比較ポイントです。シグマはHLA(High-response Linear Actuator)を、タムロンはVXD(Voice-coil eXtreme-torque Drive)を搭載しており、どちらも高速かつ静粛なAF駆動が期待できます。
さらに、最大撮影倍率にも違いがあります。シグマは28-85mmの範囲で1:2のハーフマクロに対応し、タムロンは広角端で1:1.9の近接撮影が可能です。どちらも優れたマクロ性能を持っていますが、それぞれ得意な焦点距離が異なります。光学手ブレ補正の有無も考慮すべき点です。
シグマとタムロンのどちらもレンズ内手ブレ補正は非搭載ですが、ソニーα7シリーズのようにボディ内手ブレ補正がある機種なら実用上問題ありません。
これらの点を総合的に比較し、自分の主な撮影シーンや重視するポイントに合わせて、最適な一本を選ぶことが重要です。

項目シグマ 20-200mm F3.5-6.3 DGタムロン 25-200mm F2.8-5.6 G2
発売日2025年9月25日(木)2025年秋頃(開発発表)
価格143,000円(直販)未定
対応マウントソニーE、LマウントソニーE
焦点距離20-200mm25-200mm
開放絞りF3.5-6.3F2.8-5.6
最大撮影倍率1:2(28-85mm時)1:1.9(25mm時)
質量(重さ)550g未定
フィルター径φ72mmφ67mm
AFモーターHLA(リニアモーター)VXD(リニアモーター)
特記事項広角20mmから始まる10倍ズームレンズ
ハーフマクロ撮影可能
広角端F2.8の明るさ
AF速度・追従性の向上
TAMRON Lens Utility™対応

タムロン25mm-200mmの強み

タムロンの「25-200mm F2.8-5.6 Di III VXD G2」の最大の強みは、広角端でF2.8という明るさを実現している点にあります。この明るさは、特に夜景や室内といった光量が少ない環境での撮影において大きなアドバンテージとなります。ISO感度を過剰に上げることなく、手持ちでもブレにくいシャッタースピードを確保できるため、よりクリアでノイズの少ない写真を撮ることが可能です。また、広角側で開放F値が明るいことは、背景をぼかした表現をしたい際にも有効です。被写体に近づくことで、背景を柔らかく溶かすような描写が楽しめます。
さらに、このレンズは広角端で最大撮影倍率1:1.9のハーフマクロ撮影に対応しており、テーブルフォトや花などのクローズアップ撮影にも威力を発揮します。
この一本で風景、スナップ、ポートレート、そして簡易的なマクロ撮影までこなせる懐の深さも大きな魅力と言えるでしょう。AF駆動にはリニアモーターのVXDを採用しているため、高速かつ静粛なピント合わせが可能で、動画撮影時にも快適な操作性を実現しています。

シグマ20mm-200mmの魅力

公式HPより

シグマの「20-200mm F3.5-6.3 DG Contemporary」の魅力は、何といっても広角端が20mmから始まるという、このクラスでは世界初となる圧倒的な広角性能にあります。
25mmスタートのレンズと比較して、20mmはより広大でダイナミックな風景を一枚の画角に収めることができます。
狭い室内や観光地の展望台など、物理的に後ろに下がれないような状況でも、広々とした空間を写し取ることが可能です。
また、このレンズは望遠端が200mmでありながら、重量がわずか550gと非常に軽量に設計されている点も特筆すべき点です。これは、荷物を少しでも軽くしたい旅行や登山などでの撮影において、大きなメリットとなります。
さらに、このレンズは28mmから85mmの焦点域で最大撮影倍率1:2のハーフマクロ撮影に対応しており、小さな被写体にもぐっと寄って迫力のある写真を撮ることができます。
AF駆動には高速なリニアモーターHLAを搭載し、防塵防滴構造や撥水防汚コートも施されているため、屋外の過酷な撮影環境でも安心して使用できる信頼性の高さも魅力の一つです。

シグマとタムロンの高倍率ズームレンズどっちを購入するか?

用途に合わせた選択を

シグマの「20-200mm」とタムロンの「25-200mm」、どちらのレンズが最適かは、最終的にユーザーが何を最も重視するかによって決まります。
もし、広大な風景や建築物をダイナミックに写したい、あるいはより広い画角で撮影を楽しみたいと考えるのであれば、シグマの20mmスタートという強みが活きてきます。特に、旅先で後ろに下がれない状況が多い方や、日常のスナップで街並み全体を収めたい方には、シグマの選択がより満足度を高めるでしょう。
一方、薄暗い室内での撮影や夜景、背景を大きくぼかしたポートレートなど、明るさを重視する撮影が多い方には、タムロンの広角端F2.8というスペックが大きな武器となります。また、テーブルフォトや花などのクローズアップ撮影を頻繁に行うのであれば、ハーフマクロ対応のタムロンがより汎用性が高いと言えます。
どちらのレンズも「これ一本で様々なシーンに対応できる」というコンセプトは共通していますが、それぞれ得意とする分野が異なります。ご自身の現在の撮影スタイルや、今後挑戦してみたいと考えているジャンルを改めて見つめ直すことで、どちらのレンズがより自分に合っているかという答えが見えてくるはずです。

広角重視ならシグマが◎

広角側の画角を最も重要視するなら、シグマの「20-200mm F3.5-6.3 DG Contemporary」は間違いなく最良の選択肢となるでしょう。
このレンズの最大の魅力は、高倍率ズームでありながら、広角端が20mmという超広角域から始まる点にあります。
一般的な高倍率ズームが24mmや28mmからスタートする中で、この5mmから8mmの差は、写真に写し出せる情報の量とダイナミックさを飛躍的に向上させます。
例えば、雄大な自然風景を目の前にした時、20mmの画角があれば、手前に広がる草花から遠くの山々までを一枚の写真に収め、より壮大なスケール感を表現できます。また、都市の街並みや歴史的建造物を撮影する際にも、後ろに下がることなく全体の雰囲気を捉えることが可能です。さらに、狭い室内での撮影や、大勢での集合写真など、物理的に距離が取れない場面でも、この20mmの画角は非常に頼りになります。風景や建築物の撮影がメインで、写真に非日常感や迫力を加えたいと考えるユーザーにとって、シグマの20mmスタートは、他の追随を許さない大きな強みとなるでしょう。

明るさ重視ならタムロンが◎

タムロンの「25-200mm F2.8-5.6 Di III VXD G2」は、明るさを最優先に考えるユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢です。
特に注目すべきは、広角端の開放F値がF2.8であるという点です。これは高倍率ズームレンズとしては非常に明るく、光量が少ない環境での撮影において大きなアドバンテージをもたらします。
例えば、夕暮れの街並みや夜景、照明が暗い室内での撮影などでは、シャッタースピードを稼ぐことができ、手ブレや被写体ブレのリスクを抑えながら、ノイズの少ないクリアな写真を撮ることが可能になります。また、明るい開放F値は、背景をぼかした写真を撮りたいときにも有効です。被写体に近づき、広角端のF2.8を使えば、背景を柔らかくぼかすことで、主題を際立たせた印象的な写真を撮ることができます。
このように、タムロンは広角側でF2.8という明るさを確保することで、表現の幅を大きく広げてくれます。日中だけでなく、夜間や室内での撮影機会が多い方、あるいはボケを活かした表現を楽しみたい方にとって、タムロンの明るさは大きな強みとなるでしょう。

画角の違いをCOSINA19-35mmのオールドレンズで検証

昔購入したオールドレンズを使ってシグマ20㎜とタムロン25㎜そして28㎜相当でどれぐらい画角が違うのか比較検証してみました。

SONY α7ⅡとオールドレンズCOSINA19-35MM
SONY α7ⅡとオールドレンズCOSINA19-35MM
公園19mm.jpg
公園20㎜
公園24mm.jpg
公園25㎜
公園28㎜
駅19㎜.jpg
駅20㎜.
駅24㎜.jpg
駅25㎜
駅28㎜
線路20㎜
線路20㎜
線路25㎜
線路25㎜
線路28㎜
サンシャイン20㎜
サンシャインビル20㎜
サンシャイン25㎜
サンシャインビル25㎜
サンシャインビル28㎜

資産価値としての考察

高価なカメラレンズを購入する際には、将来的な売却も視野に入れた「資産価値」も考慮すべきポイントの一つです。
シグマとタムロンの新しい高倍率ズームレンズは、どちらも市場のニーズを捉えた高性能な製品であるため、中古市場でも高い人気が予想されます。
特に、広角端の焦点距離や開放F値など、それぞれのレンズが持つ独自の強みは、ユーザー層を明確に分ける要素となり、特定の需要を持つ層からの需要が継続的に見込まれます。一般的に、発売から時間が経過すると価格は徐々に下落していきますが、カビの発生を防ぐために適切な保管をしたり、元箱や付属品を丁寧に保管しておくことで、リセールバリューを高く維持することが可能です。
これらのレンズは、最新のミラーレスカメラに対応した高倍率ズームとして、今後数年にわたってその価値が大きく損なわれることは考えにくいでしょう。つまり、単なる消耗品としてではなく、売却時に一定の価値が見込める「資産」として所有する価値は十分にあります。

最後に:シグマorタムロン 入門用ズームレンズ選びのヒント

シグマとタムロンのどちらを選ぶか迷ったときは、まずご自身の現在の撮影スタイルと、今後どのような写真を撮っていきたいかを改めて考えてみることが大切です。
もし、広大な風景や建築物、街並み全体をダイナミックに写し取りたいのであれば、シグマの20mmスタートが大きな武器となります。
一方、薄暗い室内や夜景での撮影、あるいはボケを活かした表現を重視するのであれば、タムロンのF2.8という明るさが強力な味方になります。
どちらのレンズも、これ一本で幅広いシーンに対応できる「オールラウンダー」ですが、その得意分野は明確に異なります。スペック表の数字だけにとらわれるのではなく、それぞれのレンズが持つ個性や強みが、自分の撮影スタイルにどうフィットするかをじっくりと検討することが、後悔のないレンズ選びに繋がります。
可能であれば、店頭で実際に手に取って重さや操作性を確認したり、それぞれのレンズで撮影された作例を比較してみるのも良いでしょう。この記事が、あなたのレンズ選びの一助となれば幸いです。

シグマ20mm-200mmとタムロンの25mm-200mmレンズ比較まとめ

  • シグマとタムロンからEマウント用高倍率ズームレンズが新発売
  • 現在使用中のFE 28-60mm F4-5.6は広角と望遠が物足りない
  • シグマは広角端20mmから始まるのが世界初
  • タムロンは広角端でF2.8という明るさを実現
  • シグマのAFはHLA、タムロンはVXDを採用
  • どちらのレンズも高速かつ静粛なAF駆動
  • シグマは28-85mm域で1:2のハーフマクロ撮影が可能
  • タムロンは広角端で1:1.9の近接撮影が可能
  • シグマは望遠端200mmながら550gと軽量
  • タムロンは暗い室内や夜景撮影に有利
  • シグマは風景や建築物の撮影に強みを発揮
  • どちらもレンズ内手ブレ補正は非搭載
  • 広角重視ならシグマ、明るさ重視ならタムロンがおすすめ
  • 中古でも値崩れしにくく、資産価値として持つこともできる
  • 用途に合わせて選ぶのが後悔しないレンズ選びの鍵

あわせて読みたい
>>撮影が激変!PGYTECHカメラストラップP-CB-119レビュー
>>マンフロット アドバンスド アクティブバックパック3 レビュー|自立するカメラバッグ
>>Anker 10000mAh 3in1 レビュー:1台3役の最強充電器

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次