健康な食生活に関心をお持ちの方の中には、「まほろば食養思想」は吉野敏明先生が提唱する四毒五悪抜きとどう違うのか、さらに深く知りたいと思っている方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、北海道の自然食品店まほろばが提唱する「インテグレート マクロビオティック」についてご紹介します。
まほろばの食養思想の核となるのは、食品の「生命力」を見極める独自の「0-1テスト」です。
私たちはこのテストを通じて、一般的な安全性や栄養価だけでは測れない食品の真の価値を追求しています。
また、小麦や植物性の油、牛乳・乳製品、甘い物といった「四毒」と呼ばれる食品や、食品添加物、農薬、化学肥料、除草剤、遺伝子組み換え食品といった現代社会の「五悪」が体に与える影響についても、まほろば独自の視点から解説します。
吉野敏明氏の理論との比較も交えながら、まほろばがこれらの問題にどう向き合っているのかを明らかにしていきます。まほろばの食養思想から、あなたの食生活を見直すヒントを見つけてみませんか。
この記事のポイント
- まほろば独自の「0-1テスト」で食品の生命力を評価する基準
- 小麦、植物油、乳製品、甘い物に対するまほろばの具体的な見解と吉野敏明氏の理論との違い
- 食品添加物、農薬、化学肥料、除草剤、遺伝子組み換え食品が体に与える影響とまほろばの姿勢
- 一般的な常識に囚われず、「本物」を見極めるまほろばの食養思想の根幹
まほろば食養思想:0-1テストで選ぶ健康
食材選定の核となる0-1テストとは
まほろばの食養思想「インテグレート マクロビオティック」を理解する上で、決して欠かすことのできない概念が「0-1テスト」です。
これは、単なる食品の安全性や栄養価を測るだけでなく、目に見えない「生命力」という価値基準で食材を選び出す、まほろば独自の選別方法として知られています。
多くの自然食品店が無添加や無農薬といった基準を設ける中で、まほろばはさらに一歩踏み込み、この0-1テストを通じて食品が持つ生命エネルギーを判断しているのです。
このテストを何万回、何十万回と繰り返す中で、まほろばは体系的で流動的な変化の法則を発見したと言います。
一般的な科学的根拠や常識とは異なる結果が出ることもしばしばあったようです。例えば、コレステロールを下げるとして当時流行していた紅花油やマーガリンを取り扱わず、代わりにオリーブ油や発酵バターを推奨していた時期があります。これには多くの疑問や反発もあったことでしょう。
しかし、まほろばは「0-1テストは生命の本質にフォーカスして問う」という揺るぎない信念のもと、その結果に忠実に従ってきたのです。
いくら非常識に見えても、科学的でなくても、まほろばにとっては、変化する時代の流れの中でブレない羅針盤であり、信じるか信じないかという二律背反を超えた、絶対の価値観だったと述べています。
現在では、コレステロールの重要性が広く認識されるようになりました。
性ホルモンや細胞膜の原材料となること、脳神経系の軸索を構成し漏電を防ぐ役割があることなどが科学的にも解明されています。
これは、まほろばが35年前に0-1テストで導き出した結論が、時代を経て証明された一つの例と言えるでしょう。
このように、まほろばの0-1テストは、常に未来を見据え、一般的な常識に囚われない独自の視点で、真に体に良いものを選び続けてきたのです。
0-1テストで商品を選定する理由
まほろばが0-1テストを軸に商品を厳選する理由は、単に安全な食品を提供するだけでなく、その食品が持つ「生命エネルギー」に着目しているからです。
一般的な食品の選定基準は、無農薬、無添加、有機栽培といった目に見える安全性や、栄養成分表に記された数値が主となります。
しかし、まほろばはそれらの基準に加え、0-1テストという独自のメソッドを用いることで、数値では測れない食品の「質」を追求しているのです。
彼らは、数万回、数十万回という膨大な0-1テストを繰り返す中で、食品が持つ生命エネルギーが人体に与える影響を詳細に観察してきました。
このテストで「マイナス反応」が出た食品については、なぜその反応が出るのかを徹底的に探求し、その原因を特定していきます。
例えば、一般的な常識では健康に良いとされていた特定の植物油が、0-1テストでマイナス反応を示した場合、その理由を深く掘り下げていきます。
そして、その原因が明らかになれば、たとえそれが主流の考え方と異なっていても、その食品の取り扱いを見直すという徹底ぶりです。
多くの場合、彼らが0-1テストで得た知見は、後になって科学的な研究や発表によって裏付けられることが少なくありません。
かつてコレステロールが忌避されていた時代に、まほろばは0-1テストの結果からコレステロールの重要性を啓蒙し、質の良い卵や肉類の取り扱いを始めました。
これには当時の従業員や顧客からの反発もありましたが、現在ではコレステロールが性ホルモンや細胞膜の原材料、脳神経系の構成要素として不可欠であることが広く認識されています。
このように、0-1テストはまほろばにとって、時代の流れや一般常識に流されることなく、常に「生命の本質」にフォーカスし、真の健康を追求するための羅針盤となっているのです。
小麦はすべて悪か?
自然食品の世界では、「グルテンフリー」という言葉が浸透しているように、小麦製品が悪者にされる傾向があります。特に、現代の小麦は品種改良が進み、体への負担が大きいという見方も少なくありません。
しかし、まほろばの0-1テストに基づく食養思想では、小麦を一概に「悪」とは位置付けていません。
彼らの考え方は、食品全体に言えることですが、「本物であれば問題ない」というシンプルな結論に行き着きます。
まほろばが重視するのは、小麦そのものの品質と、その加工方法です。例えば、パンに関して言えば、日常食として白パンを推奨しています。
これは、自然食愛好家の間で常識とされてきた「三白の害」(白砂糖・白パン・白米)という考え方とは真逆を行くものです。
まほろばは、0-1テストによって、白パンが玄米よりも良い結果を示す場合があることを発見しました。
これは、単に精製された白さが良いというわけではなく、どのような原材料が使われ、どのような方法で加工されているかが重要であるという彼らの考え方を反映しています。
前述の通り、まほろばが「本物」と定義する食品は、自然の摂理に則って作られ、生命エネルギーを損なわないものです。
小麦に関しても、栽培過程での農薬や化学肥料の使用状況、そして製粉やパンの製造工程で不自然な処理がされていないかが重要視されます。
例えば、彼らが推奨する白パンは、天然酵母を使用し、無農薬の白米や特定の調味料と組み合わせることで、体が代謝しやすい状態になっていると考えられます。
また、小麦が体に合わないと感じる方がいるのは事実ですが、それは小麦そのものよりも、炭水化物(でんぷん質)の摂り過ぎや、糖代謝の不調に根本原因がある場合が多いと、まほろばは指摘しています。
つまり、小麦を摂取すること自体が悪なのではなく、摂取量や、他の食習慣とのバランスが重要であるという見方ができます。
まほろばの食養思想は、固定観念に囚われず、個々の食品が持つ本来の生命力と、それが体にどう影響するかを0-1テストで深く見極めることで、真の健康を追求しているのです。
植物性の油をすべて避けるべきか?
植物性の油について、「健康のためにはすべて避けるべきだ」という極端な意見を耳にすることもあるかもしれません。
しかし、まほろばの食養思想は、そのような一律の判断とは一線を画しています。
彼らが提唱する0-1テストによって選ばれた植物油は、むしろ積極的に摂取すべきものとして推奨されているからです。
重要なのは、「どんな植物油を、どのように選ぶか」という点にあります。
多くの植物油には、コレステロールを下げるとして一時期ブームになったリノール酸が多く含まれています。
まほろばは創業当初から、このリノール酸が主体となる紅花油やマーガリン、さらにはゴマ油や大豆油、ピーナッツ油、綿実油といった一般的な植物油の積極的な摂取には警鐘を鳴らしてきました。
その理由は、0-1テストでこれらの油がマイナス反応を示すことが多かったからです。
彼らは、リノール酸系の油が酸化しやすく、体内でトランス脂肪酸に変化する可能性があることを見抜いていました。
一方で、まほろばが推奨してきたのは、オリーブ油や発酵バター、そしてアルファリノレン酸系の亜麻仁油、しそ油、インカインチオイル、ヘンプオイルなどです。
これらの油は、0-1テストで良好な反応を示したため、積極的に取り扱ってきました。
特に、インカインチオイルは、脂質栄養学会の研究でも抗ガン作用や抗酸化作用が大きいことが明らかになり、学会推奨品になるほどでした。
これは、まほろばの0-1テストが、科学的な裏付けに先んじて食品の真の価値を見極めていた好例と言えるでしょう。
現代では、トランス脂肪酸の健康への悪影響が広く知られるようになりましたが、まほろばは早くからその害を指摘し、良質な油の選択を促していました。
このように、植物性の油をすべて避けるのではなく、0-1テストという独自の基準で「本物」を選び、摂取することが、まほろばの食養思想における重要なポイントなのです。


牛乳・乳製品は0-1テストでどう評価される?
牛乳や乳製品は、アレルギーの原因になったり、健康に良くないという意見も多く聞かれます。
自然食品を愛好する方々の間でも、牛乳に対して抵抗がある人は少なくありません。
まほろばも、当初は0-1テストで牛乳がマイナス反応を示したため、あまり良いものとは考えていませんでした。
しかし、彼らの研究はそこで終わりませんでした。
まほろばが実験の幅を広げていくと、意外な事実が判明しました。
それは、生の牛乳や低温殺菌の牛乳はプラス反応を示し、さらにヨーグルトやチーズなどの発酵食品はより良い反応を示したということです。
一方で、高温殺菌されたロングライフ牛乳などは、ひどくマイナス反応だったと報告されています。
この結果から、まほろばは、牛乳が悪いのではなく、「微生物が生きている状態」の牛乳や乳製品であれば、人体は適切に代謝できるのではないかという仮説を立てました。
さらに、彼らは牛乳の品質にも着目しています。
殺菌剤やホルモン剤入りのエサを与えられた牛の牛乳は、たとえ低温殺菌であっても0-1テストで良い結果が出なかったそうです。
つまり、まほろばが推奨するのは、単に殺菌方法だけではなく、牛が育つ環境やエサの質まで含めた「自然な状態」の乳製品です。
前述の通り、彼らの食養思想の根底には「自然が一番いい」という考え方があります。
このような背景から、まほろばでは低温殺菌や生の乳製品を推奨しています。
牛乳アレルギーの方であっても、でんぷん質を控えた上で、最も代謝しやすいヨーグルトから少量ずつ摂取し始めることで、最終的にはナチュラルチーズや生の牛乳も摂取できるようになる事例があるとのことです。
これは、牛乳アレルギーの人が、実は乳製品の栄養が不足している場合があるという、まほろばならではの視点と言えるでしょう。
このように、まほろばの乳製品に対する評価は、表面的な情報に惑わされず、食品の持つ本来の生命力を0-1テストによって見極めることに基づいています。
甘い物に対するまほろばの食養思想
甘い物、特に白砂糖は「健康の敵」「万病の根源」とまで言われることが多く、自然食品愛好家の間では徹底的に避けるべきものと考えられています。
しかし、まほろばの食養思想は、ここでも一般的な常識とは異なる見解を示しています。
彼らの0-1テストによると、必ずしもそうではなく、低分子の糖類も「多少の必要性がある」という結果が得られたからです。
まほろばは、糖類を摂りすぎることによる害が大きい一方で、摂らなさすぎることの害も無視できないと指摘しています。
最も重要なのは、両極端に偏らず、バランスの取れた摂取を心がけることだと言います。
例えば、腸内の有用菌は糖が大好きなのですが、多すぎると悪玉菌が優勢になり、腐敗発酵に傾いてしまいます。
また、私たちの細胞膜の周りには「糖鎖」というものが存在し、細胞間の情報交換や全身の有機的な関係性を維持しています。
ガンになると糖鎖が変形すると言われたり、皮膚の保湿性にも糖分が重要な役割を担っているなど、糖の働きは多岐にわたるのです。カサカサのアトピーは糖不足が原因であることも多いと、彼らは説明します。
そして、甘い物に関するまほろばの最も衝撃的な発見の一つが、廃糖蜜(黒砂糖)の害でした。
彼らは0-1テストで、黒砂糖が白砂糖よりも強いマイナス反応を示すことに疑問を抱き、調査を進めた結果、黒砂糖、特に廃糖蜜にはスズや鉛などの有害重金属が多量に含まれていることを発見しました。
一方で、精製に薬品を使わず、活性炭による二重濾過を行い、原材料が100%ビート糖である「ほのぼの印の上白糖」が、当時扱っていた黒糖や粗製糖よりも良い結果を示したのです。
この白砂糖の推奨は、当時のまほろばにとって最も大きな反響を呼んだ「異端」な出来事の一つだったと言います。
まほろばの食養思想は、「砂糖は白い方が自然」というユニークな見解も持っています。搾りたての液体は透明に近い白色であり、時間が経つにつれて酸化や老化によって黒ずむ「アク」の色だというのです。
これらは人体に有害なため、精製して取り除く必要があると考えられています。
現在の「ひふみ糖」は、最も還元力が強く代謝にインシュリンを必要としない果糖(ビート糖由来)を基盤とし、単糖類から高分子多糖類まで、人体生理に合わせて複雑に組み合わせた理想的な糖として開発されました。
このように、まほろばの甘い物に対する考え方は、単なる甘味の摂取量を制限するのではなく、糖の持つ多様な役割と、その品質を深く追求することで、健康への最適なバランスを見出そうとしているのです。
まほろば食養思想と四毒五悪:現代社会の落とし穴

食品添加物が体に与える影響
現代の食品には、風味を良くしたり、保存期間を延ばしたりするために様々な食品添加物が使用されています。
これらは法律で定められた基準内で使われているため、すぐに健康に害を及ぼすことはないとされています。
しかし、まほろばの0-1テストに基づく食養思想では、これらの添加物が体にもたらす長期的な影響に警鐘を鳴らしています。
彼らは、たとえ微量であっても、添加物が食品本来の「生命力」を損ない、結果的に体の代謝能力を低下させる可能性があると考えているのです。
まほろばが提唱する「Integrate Macrobiotic」の考え方では、体が食品を代謝する能力が健康を維持する上で非常に重要だと捉えられています。
食品添加物は、本来自然界には存在しない化学物質であり、体がこれらを処理する際に余分なエネルギーを消費したり、消化酵素の働きを阻害したりする可能性があります。
実際に、まほろばの0-1テストでは、添加物が含まれる食品にマイナス反応が出ることが多いそうです。
これは、体がその食品を「異物」と認識し、スムーズに受け入れられない状態を示しているのかもしれません。
また、腸内環境への影響も懸念されています。現代人の腸内環境は、農薬や添加物の影響で悪化していると言われることがあります。
まほろばは、有用微生物が生きている「生」の発酵食品の重要性を強調しており、これは添加物によって損なわれがちな腸内環境を整える上で不可欠な要素だと考えています。
流通や保存のために熱処理された味噌や醤油では、本来の微生物が死滅してしまうため、彼らはあえて「生」にこだわったオリジナルの発酵食品を開発しています。
このように、食品添加物は、単に目に見える症状を引き起こさないからといって安全と考えるのではなく、長期的な視点で体への影響を考慮する必要があるとまほろばは訴えています。
彼らは、食品の「本質的な生命力」を守るため、そして体が健全に代謝できる状態を保つために、添加物のない自然な食品を選ぶことの重要性を強調しているのです。


農薬が引き起こす健康問題
私たちが日常的に口にする野菜や果物には、しばしば農薬が使用されています。
農薬は害虫や病気から作物を守り、収穫量を増やすために不可欠と考えられがちですが、まほろばの食養思想では、これが人間の健康に深く関わる問題だと捉えられています。
彼らは、農薬がたとえ残留量が微量であっても、長期的に人体に与える影響や、食品が持つ本来の生命力を損なう可能性を危惧しています。
創業当初、無農薬の野菜がほとんど市場に出回っていなかった時代から、まほろばは安全な野菜を求めて自ら探し回っていました。
その中で、札幌の中央卸売市場でさえ、0-1テストを用いることで、農薬の影響を受けていない「安全性の高い物」を選び抜くことができたと言います。
例えば、農薬漬けだと思われていたバナナの中に、0-1テストでプラス反応を示す台湾バナナを見つけ出し、取り扱うようになったという逸話もあります。
現在ではオーガニックバナナも増えましたが、当時は画期的な試みでした。
農薬が体にもたらす影響として、まず挙げられるのが肝臓への負担です。
体に入った異物は肝臓で解毒処理されますが、農薬のような化学物質は肝臓に余分な負担をかける可能性があります。
長期間にわたって蓄積されることで、体の免疫機能が低下したり、アレルギー反応を引き起こしたりするリスクも考えられます。
また、農薬は土壌中の微生物にも影響を与え、結果として作物が本来持っている栄養価や生命力が失われることにも繋がるとまほろばは見ています。
まほろばの食養思想では、体の代謝能力を最大限に引き出すことが健康の基本です。
しかし、農薬に汚染された食品は、体がスムーズに代謝することを阻害する要因となり得ます。
彼らは、表面的な汚れだけでなく、見えないレベルでの食品の質を重視し、農薬の影響を受けない「本物の食品」を選ぶことこそが、真の健康を築く上で不可欠だと訴えているのです。
彼らの「0-1テスト農法」は、種や肥料選びから、野菜が育つ環境のバランスまで、すべてにおいて生命力を最大限に引き出すことを目指しています。
化学肥料と食養思想の矛盾
私たちが普段食べている多くの作物は、収穫量を増やすために化学肥料を使って栽培されています。
しかし、まほろばの食養思想では、化学肥料の使用と、真の健康を追求する「Integrate Macrobiotic」の理念との間に大きな矛盾があると考えています。
化学肥料は、土壌に不足しがちな特定の栄養素を補うことで、作物の成長を促進します。
ですが、まほろばは、それによって作物が持つ本来の生命力や、土壌の健全性が損なわれることに懸念を抱いているのです。
彼らは、化学肥料が土壌の微生物バランスを崩し、結果的に作物が本来持っているミネラルバランスや生命エネルギーに影響を与えると見ています。
実際に、まほろばの0-1テストでは、化学肥料を使用して栽培された作物にマイナス反応が出ることが多いそうです。
これは、作物が単に栄養素を吸収するだけでなく、土壌中の複雑な微生物活動を通じて生命力を育んでいるという、まほろばならではの視点を反映しています。
いくら見た目が立派で収穫量が多くても、生命力が低下している作物では、真の意味で私たちの体を養うことはできないと考えているのです。
まほろばが提唱する「0-1テスト農法」は、まさにこの化学肥料の問題に対する彼らの答えと言えます。
仁木に移住して営む農園では、種や肥料選びから、土づくりのバランスまで、すべてを0-1テストによって選定しています。
これは、化学肥料に頼らず、自然の摂理に沿った方法で、作物が本来持っている生命力を最大限に引き出すことを目指しているからです。
彼らは、土づくりは一朝一夕にはいかないと理解しつつも、この農法の発展こそが、彼らの人生の集大成であると語っています。
このように、化学肥料は効率的な農業生産を可能にする一方で、まほろばの食養思想とは根本的に相容れないものと捉えられています。
彼らにとって、食品は単なる栄養素の塊ではなく、生命の源であり、その生命力を最大限に引き出すためには、土壌から食卓まで、すべての段階で自然な状態を追求することが不可欠だと考えているのです。
除草剤がもたらすリスク
多くの農地で利用される除草剤は、雑草の生育を抑え、作物の生産効率を高めるために重要な役割を担っています。
しかし、まほろばの食養思想では、この除草剤が人々の健康にもたらす潜在的なリスクについて深く懸念しています。
彼らは、たとえ直接口にする量が微量であったとしても、除草剤に含まれる化学物質が、長期的に人体に影響を与える可能性があると考えているのです。
まほろばが提用する0-1テストにおいて、除草剤が使用された作物にマイナス反応が出ることがしばしばあります。
これは、除草剤が作物の生命力を損なったり、体内でスムーズに代謝できない物質を残したりすることを示唆しています。
除草剤の成分が土壌に残留し、そこから作物が吸収する可能性も指摘されています。
さらに、除草剤が土壌の健全な生態系、特に微生物に悪影響を与えることで、作物が本来持っている栄養価や活力が失われることにもつながるという見方もあります。
私たちの体は、食べたものを消化・吸収し、不要なものを排出するという複雑な代謝プロセスによって成り立っています。
このプロセスに、農薬や除草剤といった化学物質が入り込むと、肝臓などの解毒器官に余分な負担がかかる可能性があります。
長期間にわたってこれらの物質が体に蓄積されると、アレルギー反応や免疫力の低下など、様々な健康問題を引き起こす要因となることも考えられます。
まほろばは、真の健康を追求するためには、単に栄養素を摂取するだけでなく、食品が持つ本来の生命力を重視すべきだと考えています。
そのため、彼らは除草剤を使用しない、自然な栽培方法で育てられた作物を高く評価し、その重要性を強く訴え続けているのです。
彼らの「0-1テスト農法」は、除草剤に頼らず、土壌本来の力を引き出すことで、作物が健全に育つ環境を作り出すことを目指しています。
遺伝子組み換え食品との向き合い方
近年、食料生産の効率化や特定の特性を持つ作物の開発のために、遺伝子組み換え食品が世界中で広く利用されるようになってきました。
これらの食品は、多くの場合、アレルギーや毒性がないとされています。
しかし、まほろばの食養思想は、遺伝子組み換え食品に対して慎重な姿勢を示しています。
彼らが重視するのは、単なる安全性の有無だけでなく、食品が持つ「生命の本質」や、その食品が体に与える「有機的な影響」だからです。
まほろばが提唱する0-1テストは、信じるとか信じないとかいう二律背反を超えた、絶対の価値観として機能しています。
彼らは、かつて取り扱っていたトウモロコシ由来の「純果糖」が、最初は0-1テストで非常に良い反応を示していたにもかかわらず、途中からマイナス反応に転じた経験を持っています。
特に、免疫系を司る胸腺でプラス反応(まほろばのテストでは胸腺でのプラス反応は良くないとされる)が出たことから、当時の遺伝子組み換え大豆やトウモロコシの普及と関連があるのではないかと推測しています。
真偽はともかく、0-1テストで良くないものは直ちに止めるという彼らの原則に基づき、その純果糖の取り扱いを中止しました。
遺伝子組み換え食品の長期的な人体への影響については、まだ解明されていない部分が多いのが現状です。
まほろばは、食品が本来持つ自然なバランスや、生態系全体への影響を重視しています。
遺伝子を操作することで、予期せぬ変化が作物に生じたり、それが環境や人間の体にどのような影響を与えるかについては、慎重な検証が必要だと考えているのです。
このように、まほろばは遺伝子組み換え食品に対して、単に国の規制基準を満たしているかどうかだけでなく、0-1テストという独自の基準を通じて、その食品が持つ生命エネルギーや、人間の体が自然に受け入れられるかどうかを重視しています。
彼らは、食を通じて真の健康を追求するためには、可能な限り自然な状態で作られた食品を選ぶべきだというメッセージを発信しています。
まほろばが提唱する四毒五悪に対する考え:吉野敏明氏の理論との比較
まほろばが提唱する「Integrate Macrobiotic(インテグレート マクロビオティック)」の食養思想は、現代社会にはびこる「四毒五悪」と呼ばれる食品が、私たちの健康に深刻な悪影響を及ぼすという警鐘に基づいています。
この「四毒五悪」の概念は、吉野敏明氏が提唱するものと多くの共通点を見出せる一方で、まほろば独自の視点と実践によって、その解釈や対応策において明確な違いが見られます。
まほろばにおける避けるべき食品は、具体的には食品添加物、農薬、化学肥料、除草剤、遺伝子組み換え食品といった、人の手が加えられた不自然なものを指します。
まほろばは、これらの要素が食品本来の生命力を奪い、結果的に人体の代謝能力を低下させると考えています。
彼らが一貫して行ってきた0-1テストは、まさにこの四毒五悪の中でも品質の悪い商品をを排除し、「本物」を見つけ出すための羅針盤です。
0-1テストでは、たとえ目に見える害がなくても、添加物が含まれる食品や、農薬・化学肥料・除草剤が使われた作物、遺伝子組み換え食品に対してマイナス反応が出ることが多いとされています。
これは、体がそれらを「異物」と認識し、スムーズに代謝できない状態を示しているとまほろばは解釈しているのです。
しかし、吉野氏の提唱する四毒(小麦、植物性の油、牛乳・乳製品、甘い物)に対するアプローチには、まほろばとの違いが明確に表れています。
小麦について、吉野氏がグルテンによる自己免疫疾患のリスクを指摘し、徹底的な排除を推奨するのに対し、まほろばは一概に小麦を「悪」とはしていません。
0-1テストの結果に基づき、白パンを日常食として推奨することもあります。
これは、使用する小麦の質や加工方法、そしてそのパンが持つ生命エネルギーを重視しており、精製されていても薬品を使わず、天然酵母を用いたものは良いと判断する、まほろばならではの柔軟な考え方を示しています。
植物性の油に関して、吉野氏がマーガリンやショートニング、パーム油、菜種油、さらにオリーブ油やゴマ油、亜麻仁油までも摂取厳禁とするのに対し、まほろばはトランス脂肪酸を含む油には警鐘を鳴らしつつも、オリーブ油や亜麻仁油、インカインチオイル、ヘンプオイルなど、0-1テストで良い結果を示す良質な植物油の摂取を推奨してきました。
特に、インカインチオイルが科学的にも抗ガン作用や抗酸化作用が大きいことが明らかになったことは、まほろばの0-1テストの正しさを裏付けるものだと彼らは考えています。
牛乳・乳製品についても、吉野氏がホエイタンパク質による炎症促進や癌化のリスクを指摘し避けるべきだとする一方、まほろばは高温殺菌された牛乳を避けるべきだとはしていますが、生や低温殺菌の牛乳、そしてヨーグルトやチーズといった発酵食品についてはプラス反応を示し、むしろ積極的に摂取することを推奨しています。
問題は牛乳そのものにあるのではなく、殺菌方法や、牛が育つ環境、与えられるエサの質にあると彼らは見ています。
甘い物に関しては、吉野氏がブドウ糖が癌の餌になることや虫歯の原因になることから、糖度の高いフルーツやはちみつも含めて避けるべきだと主張しています。
対してまほろばは、糖類の摂りすぎの害を認めつつも、「多少の必要性がある」と考えています。
腸内細菌が糖を好むことや、細胞の機能に必要な「糖鎖」の存在を挙げ、摂らなさすぎることの害も無視できないと指摘しています。
また、一般的な黒砂糖に含まれる有害重金属を発見した一方で、特定の上白糖が良い結果を示すことを見出し、「ひふみ糖」のような還元力の強い糖を開発するなど、単なる糖分の排除ではない、質とバランスを重視する姿勢を見せています。
まほろばのスタンスは、単に「悪」を避けるだけでなく、0-1テストで「真に体に良い本物」を選び取り、積極的に摂取することにあります。
見た目や世間の常識に囚われず、食品の持つ本来の生命力を探求する彼らの姿勢は、現代の食品産業が追求する効率性や利便性とは対極にあります。
まほろばは、人間の体が本来持つ自然治癒力や代謝能力を最大限に引き出すためには、地球の恵みをありのままに受け入れ、加工されていない「本物の食品」を摂取することが不可欠だと訴えているのです。
まほろば食養思想と四毒五悪のまとめ
- まほろばの食養思想は「インテグレート マクロビオティック」であり、0-1テストで食品の生命力を評価する
- 0-1テストは、常識や科学的根拠を超え、生命の本質にフォーカスした羅針盤である
- 一般的な食品選定基準に加え、数値化できない「質」を追求している
- コレステロールの重要性など、0-1テストの知見が後に科学的に裏付けられることがあった
- 植物性の油は、トランス脂肪酸の害を避け、良質なオリーブ油や亜麻仁油などを推奨
- 牛乳・乳製品は、高温殺菌を避け、微生物が生きている生や低温殺菌、発酵食品を推奨
- 甘い物は、過剰摂取も不足も害になるとし、バランスの取れた摂取が重要
- 黒砂糖に含まれる有害重金属を発見し、精製された特定の白砂糖を推奨することもあった
- 食品添加物は、微量でも食品本来の生命力を損ない、代謝能力を低下させる懸念がある
- 農薬は、肝臓への負担や免疫力低下のリスクがあり、土壌の微生物バランスも崩す
- 化学肥料は、土壌の健全性や作物の生命力を損なうため、自然な栽培方法を重視
- 除草剤は、作物の生命力を損ない、人体に潜在的な影響を与えるリスクがある
- 遺伝子組み換え食品は、生命の本質や有機的な影響を考慮し、慎重な姿勢である
- 吉野敏明氏の四毒理論とは、対象とする食品や避けるべき度合いにおいて異なる見解を持つ
- まほろばは、四毒五悪を避けるだけでなく、0-1テストで選ばれた「本物」の摂取を重視する